達郎さんはこれまで、自らのラジオ番組で「珍盤奇盤怪盤」という、へんちくりんな音源だけをオンエアする特集を何度かやってきました。
私の手元にあるオンエアテープで最も古いのは、NHK-FM「サウンドストリート」木曜日、1985年06月06日にオンエアされたもの。
その後、サンソンに移行してからも「珍盤奇盤怪盤」はカルトな人気を誇り、古今東西・奇妙奇天烈な音源を紹介して、現在まで続いております。
そんな、山下達郎さんのラジオの人気特集【珍盤奇盤怪盤】より1曲。
アメリカの大家政子こと、アメリカの大富豪、フローレンス・フォスター・ジェンキンス(Florence Foster Jenkins)さんのソプラノ歌唱による、歌劇「魔笛」から『夜の女王のアリア(モーツァルト)』を。
フローレンス・フォスター・ジェンキンス(Florence Foster Jenkins)/
歌劇「魔笛」から夜の女王のアリア(モーツァルト)
(”Der Holle Rache” – Mozart’s “Queen of the Night” aria from “The Magic Flute”.)
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まあ、『夜の女王のアリア』をご存知の方なら、この破壊力をご堪能いただけたと思われます。
(´・ω・`)
タイミングのいいことに2016年、イギリスで制作された、彼女を題材にした映画『マダム・フローレンス! 夢見るふたり 』が、2016年12月に日本で公開されるようです。
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その日本公式サイト、wiki、そして達郎さんの解説などを参考に、フローレンスおばさんの華麗(?)なる経歴をご紹介していきます。
1868年、裕福な家庭に生まれたフローレンスさん、この通り超絶な音痴にも関わらず、自らは「偉大な音楽家」だと信じて疑わなかったそうな。
1909年、紆余曲折の後に父の遺産を受け継ぎ大富豪になった彼女、母と故郷のペンシルバニアからニューヨークへ移住し、社交界デビュー。
1912年(43歳)、フローレンスさんは念願の歌手デビュー。公の場でその美声(本人がそう思い込んでる)を披露。
その後は自ら創設した「ヴェルディ・クラブ」の音楽界やリサイタルに参加。
1930年(61歳の時)、ピアノ伴奏者としてコズメ・マクムーン(Cosme McMoon)を雇用。
1938年(69歳の時)、ニューユークのラジオ局で毎週日曜日午後、リサイタル番組がオンエアされる。5ヶ月続いたそうなんで、人気番組だったんだろうと推定。
1944年(76歳の時)、高まる公衆の要望に応え、遂にカーネギー・ホールで、リサイタルを開催。その数ヵ月後、急逝しているそうです。
ちなみにそれまでは、彼女のファンクラブのご婦人方と、限られた人しか、彼女の美声(本人がそう思い込んでる)を聴く事が出来なかったそうな。
カーネギー・ホールでのリサイタルは、クラッシックの名門RCAレーベルから、アルバム「人間の声の栄光(????)」として発売。ベストセラーとなったそうな。
あとナクソスから「ハイCsの殺戮」というCDが発売されてる模様。
ちなみに、きちんとした歌手が歌う「夜の女王のアリア」はこんな感じだそうです。
夜の女王のアリア(モーツァルトの歌劇「魔笛」より) / Roberta Peters
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しかし、映画にある通り、記者を買収して、フローレンスおばさんの批判記事を書かせないようにしたというくだりは凄いなあ。富豪らしい金の使い方というか。
で、何となく筒井康隆の「富豪刑事」を思い出します。
強欲な実業家だった父の巨額な遺産を、難事件を解決するため、湯水の如く使うという話と似てるような・・・無茶をとりあえず、潤沢な資金で解決するというあたりがね。
我々のような一部好事家のネタでのみ語られてきたフローレンスおばさんですが、映画化を気に人気が再燃するかもしれませんね。
「珍盤奇盤怪盤」特集のオンエア会を整理してたら、丁度、映画が公開されるタイミングだったので、ブログ記事にまとめてみました。
達郎さんのラジオでオンエアされたものには、新潟の誇り・遠藤実先生の「ミノルフォンレコード」で録音された超絶なる作品群がございますが、そのあたりは次回に。
「雪子のロック/藤健次」最強!とだけ、書いておきます。