今回はある意味、私自身の「トラウマ(笑)楽曲」とも言える、とある曲の「バージョン違い」について少し解説致します。
風の回廊(コリドー)は、「ホンダ・クイント インテグラCFイメージソング」に採用され、1985年3月25日にシングル発売された楽曲。
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山下達郎初のデジタル・レコーディング作品。
初めてコンピューター(PC-8801)を導入したためか、これまでアナログ環境で制作した作品群と比べ、やや地味というかおとなしめな印象を受ける曲です。
風の回廊(コリドー)【アナログシングル盤】
Moon / Alfa Moon MOON-719(1985年3月25日発売)
Side A
風の回廊コリドー
作詞・作曲・編曲:山下達郎
山下達郎(synthesizers with PC-8801, electric guitar, acoustic guitar, glocken, percussion, background vocals)
青山純(drums)
淵野繁雄(tenor sax solo)
Side B
潮騒 (LIVE VERSION)【1984年1月6日、大阪フェスティバルホール】
作詞:吉田美奈子/作曲・編曲:山下達郎
山下達郎(vocal, electric piano)
青山純(drums)
伊藤広規(synth bass)
椎名和夫(electric guitar)
野力奏一(acoustic piano)
中村哲(synthesizers)
佐野公美(background vocal)
森真帆(background vocal)
村田和人(background vocal)
初のデジタル・レコーディングで、初めてコンピューター(PC-8801)を導入した「風の回廊 (コリドー)」。
これまでのアナログ環境で制作した作品と比べ、「音圧」など出て来る音がまったく異なり、ご本人も相当悩んだ模様。
そんな訳で制作スケジュールも大幅に遅延(笑)。
エンジニアを担当していた吉田保氏が作業途中に他の仕事が入った関係で、山下達郎がトラックダウン(ミックス)を担当するという珍事が発生。
トラックダウンされた5つのバージョンのうち、達郎さん自ら手がけた4番目のテイクが、シングルに採用されることになりました。
NHK-FMラジオで達郎さんが話してた内容を整理すると、5つのバージョンはこんな感じだったらしいです。
●吉田保ミックス(吉田保トラックダウン)
take 1:普通に始まって、普通に終わるテイク[歌が違う]※サウンドストリートでオンエア
take 2:エンディングがアカペラに戻るテイク
●山下達郎ミックス(山下達郎トラックダウン)
take 3:イントロにコーラスが入っていないテイク
take 4:一回アカペラになって、また演奏に戻っていくテイク[シングル採用テイク]
take 5:エンディングがアカペラのまま終わるテイク
ちなみにCMバージョンは、楽器編成等が異なる模様。
ということで、最初にトラックダウンされた没テイクが、1985年5月16日放送の「サウントストリート(Sound Street)」でオンエア。
それを聞きそこねた私が、以降のラジオ番組を可能な限り録音し続ける、という暴挙(笑)に走るきっかけとなったのでありました。
何故か、その回がアップされているですね(笑)。まあ、そのうち消滅すると思いますが。
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まだ、テープの山に埋もれ発掘しきれてない関係で、音源チェックしてないのですが、ご長寿番組サンソン(サンデー・ソング・ブック)でも「別テイク」がオンエアされてるようですね。同じバージョンなのか、はたまた別バージョンか。
「風の回廊 (コリドー)」は、アルバム「POCKET MUSIC」に収録されております。
ムーンレーベルでのベストアルバム「TREASURES」、オールタイム・ベスト「OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜」に収録されております。
また、ライブバージョンが、2005年10月26日発売のシングル、「白いアンブレラ/ラッキー・ガールに花束を」に収録されております。
この他、サンソン等のラジオで、他会場でのライブ音源が多数オンエアされてますが、整理しきれてないので、そのちに・・・。