スイングジャーナル休刊・・・ありがとう、そしてさようなら。

(株)スイングジャーナル社が発行する月刊誌「スイングジャーナル」が7月号(6/19発売)で休刊とのこと。
 
スイングジャーナル60周年記念号など

終戦後2年目の1947年(昭和22年)4月(6月?)に創刊したというから、今年で創刊63周年かな。
(スイングジャーナル社の記載も本によりばらばらなんですが、面倒なんで1947年創刊で話を進めます)

最盛期(70~80年代)には、発行部数30万部を誇っていたそうですが・・・現在はどうなのか?

Web SwingJournal

 
 
スイングジャーナルは、学生時代からいろいろお世話になった雑誌であります。
休刊のニュースを聞き、各所に保管してある資料をごそごそと引っ張りだしまして・・・情報を整理(笑)。

で以下、つらつらと雑記を記したいと思います。

1947年、戦後は遠くなりにけりの世代にはイメージがいまいち湧かないので、その年のジャズ関係の出来事を列記しときます。

●ブルーノート・レコードが、セロニアス・モンク(Thelonious Monk)の初リーダー録音を敢行。
●バドの神懸り的な演奏「バド・パウエルの芸術(Roost)に収録」が収録されたのも、この年。
●8月4日に、「スターダスト/ライオネル・ハンプトン(Decca)」録音
●チャーリー・パーカー(Charlie Parker)、マイルス・デイヴィスらが参加する自身のバンドで、ダイヤル(Dial)への録音スタート

ちなみにスイングジャーナル休刊のニュース、各業界の方々の方が過敏に反応したように思われます。

土曜朝のJ-WAVE「Radio DONUTS」の番組ナヴィゲーター、渡辺祐さんが「ゴミ置き場から5年分拾ったことがある」という記事を書いてたり・・・。
また発表当日のツイッターでは、業界の方々がたくさんつぶやいていたらしい(伝聞系)。

2010-05-15 – 渡辺祐 blog MAKE IT FUNKY!

 
 
休刊の理由が「広告収入の減少が・・・」との事ですが・・・・。

2007年8月号の付録「SJアーカイブスDVD」に象徴されるよう、デジタル化の波に乗り遅れたのが主原因と推測します。
ちなみに「SJアーカイブDVD」、内容・容量ともにCDに収まるようなトホホな(以下、略)。

 
スイングジャーナル60周年記念アーカイブスDVD

広告の主戦場がWEBに移った今、紙媒体では顧客の老齢化に伴い部数が減る一方で・・・・まあ、その辺りを見極めた英断なのかなあ。

ただ、スイングジャーナル社は63年間に蓄積されたジャズ関連の情報、今後もしっかりと発信してもらいたいですね。
デジタル化が難しいなら、新聞みたいにアーカイブをきっちり冊子としてシリーズ化してしまうとか・・・。

別冊「モダン・ジャズ黄金時代」みたいなピックアップ記事を、希望者に有料で印刷してあげるとか面白いかと。

特にジャズ・ジャーナリスト・小川隆夫さんの連載記事は、きっちり本としてまとめて欲しいです(切に希望)。

油井正一さん(故人)など、各ライターさん毎に、記事・ディスクレビューをまとめるとかもいいなあ。
昔々華やかなりし時代には、植草甚一さんとか個性的なライターさんが数多投稿されてたし。
 
スイングジャーナル創刊号の表紙(アーカイブスDVDより)

休刊後も、公式ブログは継続されるとのこと。
今後の動向を見守りたい方は、公式ブログをご覧下さいませ。

SwingJournalStaff(スイングジャーナル スタッフ)のブログ